ナレッジの力でAIの社会実装を加速する株式会社Helpfeel(本社:京都府京都市、代表取締役 CEO:洛西 一周、以下:Helpfeel)は、AIナレッジ検索システム「Helpfeel」を導入する137のWebサイトへの各種チャネルからの流入状況を調査しました(調査期間:2024年2月〜2026年6月)。その結果、2026年6月における生成AI(ChatGPT、Gemini、Perplexity等)経由のヘルプサイトへの流入数が、1年で3.2倍(前年同月比)に増加したことが明らかになりました。
近年、生活者の検索行動は、検索エンジンにキーワードを入力して「自ら答えを探す」形から、ChatGPTなどの生成AIに目的や条件を伝え、「質問して答えを得る」形へと広がっています。こうした中、生成AIの回答で情報収集が完結し、従来の検索エンジンのようにWebサイトへ遷移しない「ゼロクリック問題」が生じており、ビジネスへの影響が懸念されています。企業には、AIに理解・認識されやすいAI-Ready(※1)な情報設計と整備が求められるようになりました。
本リリースでは、生成AI経由で実際に企業サイトに訪問するユーザーの変化を示す調査結果の詳細を解説します。
さらに、調査対象企業の中から先進的な取り組みを進める株式会社LIXIL(本社:東京都品川区、取締役 代表執行役社長 兼 CEO:瀬戸 欣哉、以下:LIXIL)の、生成AI時代に対応した情報設計の実証実験について紹介します。
※1:AIが業務を理解し、自律的に動ける状態に整えること
Helpfeelは、AIナレッジ検索システム「Helpfeel」を導入し一般消費者向けヘルプサイトとして運用する137サイトを対象に、2024年2月から2026年6月にかけて、流入経路別のアクセス数の推移を調査しました。具体的には、「オーガニック検索経由の流入(※2)」「生成AI(ChatGPT、Gemini、Perplexity等)経由の流入」の2つの観点で分析を行いました。
【調査概要】
調査対象:「Helpfeel」を一般消費者向けのヘルプサイトとして利用する137サイト
調査期間:2024年2月〜2026年6月
【調査結果】
オーガニック検索経由の流入数は2026年6月時点で15%減少(前年同月比)
2026年6月時点の生成AI経由のヘルプサイト流入数は3.2倍に増加(前年同月比)
※2:検索エンジンの検索結果からWebサイトへ訪れること。

調査では、従来の検索エンジン経由の企業サイトへの流入が減少する一方で、生成AIを経由した流入は増加していることが明らかになりました。この背景には、ブラウザの検索結果画面に表示されるAIによる要約(AIオーバービュー)やChatGPTなどの生成AIの回答を見ただけで疑問が解決する「ゼロクリック」と呼ばれる行動の増加があると考えられます。
一方で、より正確で詳細な情報を求める、購買・利用意欲の高い顧客は、生成AIの回答をきっかけとして公式情報であるヘルプサイトへ直接アクセスするという新たな行動を取るようになっていると見られます。
つまり、生成AI経由のヘルプサイトへのアクセス増加は、単なるPVの増加を意味するものではありません。ヘルプサイトは、ゼロクリック時代においても自社サイトまでたどり着く新たな経路になっているのと同時に、購買・利用意欲の高い顧客との「新たな顧客接点」として機能し始めていることを意味しています。

こうした背景から、企業には検索エンジン向けのSEO対策だけでなく、新たな窓口である生成AIに対しても自社情報を正しく理解・引用してもらうための情報整備が求められています。
生成AIは、そもそも参照可能な情報が存在しなければ回答に反映することができません。また、単に商品の機能やスペックを網羅したデータよりも、ユーザーの質問背景や利用シーンなどの「文脈(コンテキスト)」を含んだ情報を優先的に参照・引用する傾向があります。
そのため、企業が自社情報を生成AIに正しく読み込ませ、ユーザーへの回答に反映させるためには、主に以下の3つの要素を満たすコンテンツ設計が不可欠となります。
網羅的な情報カバレッジ
生活者が抱く細かな疑問点まで含め、網羅的な情報を用意することが重要です。表面的な概要にとどまらず、商品やサービスの条件、利用方法、例外、手続きなど、個別具体的な質問にまで踏み込んで答えられる情報を広く整備する必要があります。こうした情報カバレッジの広さが、生成AIに正確な回答材料を提供し、企業コンテンツの差別化要素となります。
文脈の言語化と「質問起点」のコンテンツ設計
情報を発信する際には「どのような状況で」「何を解決したいのか」という背景(文脈)を明記することが求められます。たとえば単に「延滞金について」と記載するのではなく、「請求書の支払い期限を過ぎてしまった場合、延滞金はいつから発生しますか」と、具体的な利用シーンを示します。これにより、生成AIはその情報が「どの場面で、何を解決するために使われるか」を正確に理解できるようになります。
実際に、1,400万件のAI引用を分析した調査(※3)でも、生活者が実際に抱く質問に対応した見出し設計が、AIの引用率向上に直結するという結果が出ています。
ネットワーク状のリンク構造
情報を単なる「階層型」で管理する場合に比べ、関連情報同士がリンクで網目状につながった構造は、より生成AIの理解度や回答精度を向上させます。実際に、情報をネットワーク構造化して参照させることで複雑な質問への回答精度が23%から87%へ向上することが実証されています(※4)。

これらの条件を満たした企業公式ヘルプサイトは、従来の「購入後のアフターケア」という枠組みを超え、生成AIを通じて見込み顧客に認知され、比較・検討・購入へと導く「戦略的コンテンツ」へと役割を広げています。
先進企業はすでに、この変化を捉え、AIに自社情報を正しく理解・引用させるための情報整備に着手しています。
※3:HubSpot Japan株式会社「AI引用分析レポート(2024年)」より
※4:Microsoft Research「GraphRAG: Unlocking LLM discovery on narrative private data(2024年)」より
2022年に「Helpfeel」を活用してヘルプサイトの運用を開始した住宅・建材大手のLIXILでは、生成AI経由のヘルプサイト流入は直近1年(2025年6月〜2026年6月)で約3倍に増加し、検索エンジンのAI機能からの引用数(※5)も約7.3倍に急増しています。現在も流入全体の約8割はオーガニック検索が占めていますが、LIXILでは生成AIからの流入を重要な顧客接点として位置付け、AIに最適化したコンテンツ設計の実証実験を進めています。具体的には、見出し・箇条書きで構造化する、関連するヘルプページへのリンクを設置する、といった工夫を試みています。
将来的な指標として、主要な質問に対して自社の公式情報がどれだけAIに引用されているかを示す「引用率」の定義・測定にも着手しています。ゼロクリック時代に数値では追えないAI経由の自己解決を捉える試みで、妥当性の検証に取り組んでいます。
※5:ブラウザ上の検索結果としてAIによる要約が表示される機能(GoogleのAIオーバービュー/AI Overviews)で引用された推定回数。クラウドツールを使用して計測。
カスタマーサービス統括部 サービス改革推進部 VOC改善推進グループ リーダー
株式会社LIXIL 長崎 浩之氏

検索行動が「キーワード」から「生成AIとの対話」へ移り変わる中、自社サイトへの流入経路も大きな変革期を迎えています。
LIXILでは生成AIを自社サイトと相反する存在として捉えるのではなく、熱意あるお客様を公式情報へ導く「新しい案内役」として位置づけています。お客様の属性やニーズが多様化し、質問がより個別具体的になっていくこの変革期において、案内役が十分に機能するためには、幅広いトピックに対する回答を網羅的に用意することが欠かせません。そこで、生成AIが情報を正しく理解し、的確な回答とともに自社サイトを案内できるよう、商品に関する情報をQ&A形式で多面的に整備するなど、コンテンツの構造化と充実を進めています。
今後も「AIにいかに引用されるか」の検証を進めるとともに、AIにとって一次情報のデータベースになるコンテンツ作りを推進して参ります。
「Helpfeel Growth」は、AI経由での新たな顧客接点の創出から、Webサイト上での疑問や不安の解消による購入の後押しまでを一気通貫で支援する、企業向けマーケティングソリューションです。「エージェンティックコマース(AIエージェントによるWeb取引)」「インテントマーケティング(AIによる意図分析をマーケティングに活用)」「AIO(AI検索最適化)」の3つのサービスを組み合わせることで、AIに見つけられ、選ばれ、購買につながるマーケティングの実現を支援します。
詳細は以下のプレスリリースをご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000514.000027275.html
AIの真価を引き出す鍵は、AIが参照する「ナレッジデータ」の質にあります。ナレッジデータとは、ヘルプサイトやマニュアル、応対ログをはじめ、企業内に蓄積された業務知識や暗黙知を、AIが活用できる形に整理・構造化した情報資産です。
こうした企業内の情報をAI-Readyなナレッジ基盤へと転換するのが、HelpfeelのAIナレッジデータプラットフォームです。このナレッジ基盤を中核に、AIエージェントやヘルプサイトを通じた顧客対応、オペレーター支援、VoC分析など、幅広いAIアプリケーションを展開しています。また、プロダクトに加え、経営・組織・人材のAI-Ready化を推進するAIコンサルティングも提供し、企業の意思決定と顧客体験の高度化を通じて、持続的な競争力の向上に貢献します。
現在、金融・インフラ・製造・小売をはじめとする国内エンタープライズ企業を中心に、900サイト以上(2026年4月時点)で導入されています。
「Helpfeel」サービスサイト:https://www.helpfeel.com

2026/8/5
プレスリリース
2026/7/30
メディア掲載