本記事はHelpfeel Advent Calendar 2022の6日目の記事です。
こんにちは。株式会社Helpfeelでテクニカルライターを担当している宮原です。
検索型FAQシステム「Helpfeel」を通して快適な検索体験をユーザー様にお届けするため、日々ライティングに励んでいます。
突然ですが、「個人のキャリアの80%は、予想しない偶然の出来事によって決定される」という話を聞いたことはありますか?
これは、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が1999年に提唱したキャリア理論「計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」から広まった考え方です。
キャリアというものは、自分にとっても他人からしても、振り返ると不思議がいっぱいです。
タイトルで「え、テクニカルライターって何?」「どんな人生送ったらテクニカルライターになるん?」と思った方もいるのではないでしょうか。
僕自身、偶然の連鎖で今に繋がっているなぁと、しみじみ思います。
この記事では、僕に起こった「予想もしなかった偶然の出来事」をお話します。あわせて、皆さんがご自分のキャリアを振り返る機会に繋がれば嬉しいです。
この記事のポイント
・僕に起こった「たまたま」をリアルにご紹介
・始まりは、布団でゴロゴロしながらの思いつき
・いつの間にか手にしていた「人並み以上の経験値と情熱」
・株式会社Helpfeelを知って5分後の、正直な感想
自己紹介
まずは、簡単に自己紹介をさせてください。
・1984年生まれ
・長野県在住
・高校卒業から30代に入るまで東京や埼玉で生活
・経験社数5社
業種:トランクルーム、シェアオフィス運営、アパレルメーカー、電気工事
職種:事務、受付、マーケティング関係、資材調達
自分のことながら、仕事の統一感の無さがすんごい。良い感じに要約して人に説明するのは諦めていたので、転職活動の面接ではごっそり説明を省いて自己紹介していました。
続いて、ライティングに関するキャリアです。
①20代後半のフリーター時代に、業務委託でちょこっとWebライティングに触れる
②その後、在籍企業でスポット的に導入事例やブログ記事の作成にちょこちょこ携わる
③「がっつりライティングを仕事にしたい」と思い、株式会社Helpfeelに転職
現在に至る最大のターニングポイントは、①の「20代後半のフリーター時代に、業務委託でちょこっとWebライティングに触れる」です。
たまたま知り合った人に「文章、書いてみません?」と声をかけてもらったのが始まりです。
…出た。
出た出た。
はい、出ましたよ。「たまたま」というワード。
「知り合いが勝手に事務所に履歴書を送ったんだけど、たまたま社長の目に留まって…」からの芸能界デビュー!的なエピソードでお馴染みの「たまたま」。
どうして「たまたま」が起こったのか?偶然の数々をご覧ください。
偶然その1:突然の「取材されたい」願望
20代後半のある日。お布団のなかでゴロゴロしていた僕は、「テレビとか雑誌に取材されてみたいなぁ〜」と、突然思いました。
「情熱大陸」とか「ねほりんぱほりん」みたいに、個人に焦点を当てたインタビュー系コンテンツが昔から大好きなのですが、見るのではなく出る側になってみたいなぁと、前触れなく思ったのです。
引き続き布団に転がりながら、「どうすれば取材してもらえるか?」を戦略的に考えてみました。
まず、世の中のインタビューコンテンツを思い返して、「取材されている人の共通点」を探しました。すると、あるポイントに気付きました。
それは、「取材されている人は、ある分野のプロとして活動している」ということ。
社長とか専門家、またはアスリートやアーティスト。彼らは何かしらのプロだから取材を受けているんです。
つまり、「何かのプロとして何か活動を始めれば、取材されるかもしれない」。ヤバい、これはうっかり大発見。今からでもnoteの有料コンテンツとして売るか。
さて、続いて「プロとは何か」を定義します。
十人十色の考えがあるなか、当時の僕が考えた「プロ」は「人並み以上の経験値と情熱」を持つものと定義しました。
僕が、人並み以上の経験値と情熱を持つ分野、か。。。。
[BGM]けたたましいセミの鳴き声(種類別比率=アブラゼミ5:ヒグラシ3:クマゼミ2)
1984年(昭和59年)の夏。長野の日本赤十字病院にて産声をあげた日。
それから今に至るまで、宇宙の歴史から見れば瞬きのような一瞬。
でも、宮原にとっては何にも代えがたいスペシャルな瞬間の積み重ね。
[BGM]「少年時代」に切り替わる
情熱大陸でおなじみ窪田等さんのナレーションが頭のなかで止まりません。現在までの人生を走馬灯のように思い返して見つけた、人並み以上の経験値と情熱を持つもの。
それが、「深夜徘徊」でした。
偶然その2:学生時代の趣味「深夜徘徊」
深夜徘徊とは、「夜間にあてもなくさまよう」ことをいいます。
大学時代の趣味は、深夜帯から朝にかけて東京都内をプラプラと散歩することでした。
日付が変わっても明かりが消えない高層ビル群。そこかしこで垣間見える人間模様。なのに路地裏に1本入れば、そこはSilent&Nobodyな空間。
田舎から上京してきた人間にとって、それはただの散歩ではなく、非日常を体感できる極上のエンターテインメントだったのです。
当時を思い返すと、深夜徘徊に対して「人並み以上の経験値と情熱」に足りるであろう向き合い方をしていました。
・徘徊途中、気軽に帰宅できないよう、携帯電話や財布類は持たないで外出
・累計歩行距離1,000km以上(一晩20〜30km以上、オールシーズン実施)
・警察官に職務質問された総数100回以上(一晩最多記録13回)
深夜徘徊における「人並みの経験値と情熱」のデータは、恐らく未来永劫存在しないので比較のしようがありませんけど、多分そこらへんの人には負けない気がしました。
お父さんお母さん、お元気ですか?安くない学費と仕送り、かけがえのない学生時代を費やして、あなたの息子は東京で深夜徘徊のプロになっていましたよ。
偶然その3:イベントを始めてみたら参加者様が集まった
さて、取材を受けるための分野は「深夜徘徊」に決まりました。続いて考えたのが、活動内容です。
ただ、10分ほど考えてもアイディアが湧かなかったので、「よく分からないけど、とりあえずイベントにしてみよう」と思い、内容は決めずイベントの告知を始めました。
なお、イベント運営はおろか同窓会・飲み会・合コンなどの幹事経験もなく、無知ゆえ勢いあまっての行為です。
イベント直前になんとか決めた内容は、以下の通り。
・終電の時間帯に、事前に決めた東京都内のどこかをスタート地点にして集合
・僕が決めた10km前後のコースを、休憩を入れつつ、引率しながら歩く
・始発電車が動き始める良い感じの時間帯にゴール&現地解散
また、集客方法も知らないため、検索でヒットした無料のイベント告知サイト数カ所に概要をコピペして、あとは放置というストロングスタイルをチョイス。
その結果、初回は10名に満たない参加人数でした。ところが、嬉しいことに回を重ねるたびに申し込みは増え、毎回50〜100名様に申し込みいただけるようになりました。
深夜のひっそりとした空気を壊さないため、定員数は20名以下に制限していましたが、40回近く開催し参加人数も延べ700名ほどになりました。
偶然その4:面白がってくれる人が現れた
お客様が増えるのに比例してモチベーションは爆上がり。ブラッシュアップをしながらイベントを継続するうちに、目的だった「テレビとか雑誌に取材されてみたいなぁ」も、NHK・テレビ朝日・TOKYO FM・ニッポン放送・AbemaTVなどをはじめとした、さまざまな媒体で達成していました
深夜徘徊イベントがメディアに取り上げられた要因は「物珍しさ」にほかなりません。
深夜に集まってひたすら歩く。はたから見ると「怪しい」「変な」「おかしな」「無意味な」イベントに見えるようです。
そして、そんなイベントを運営している人間も、同様に「変わってる人」と見られがち。
そんなイメージが逆に幸いして、イベントを通じた知人に「面白い文章書けそうですね。案件があるんですけど書いてみませんか?」と声をかけられました。
こんな経緯で、「布団でゴロゴロ」の時点では予想もしていなかった「ライティング」とついに接点を持つことになりました。
偶然その5:良いタイミングでDMが届いた
その後、転職してからも、ライティング経験を買われて、スポットでライティングの業務を担当する機会に恵まれました。
テキストベースでコンテンツを作る楽しさを知り、徐々に「がっつりライティングを仕事にしたいなぁ」と思うようになりました。しかし、気づけばアラフォーになっていた僕。
ライティング経験は、ゼロじゃないけど、めっちゃあるわけでもない。転職活動がうまくいく可能性は未知数です。
「どうしようかなぁ。趣味としてブログでも書いて楽しもうかなぁ」と迷っていたのが、今から半年ほど前。
そのタイミングに転職サイトから、当社のテクニカルライター募集のDMが届きました。
偶然その6:無理ゲーと思いつつ、なぜか選考を受けた
会社概要の資料に目を通すと、次のような情報が書かれていました。
・コロナ以前よりフルリモート勤務体制
・総額◯億円を資金調達
・社員の出身企業は、僕でも知ってる有名企業がズラリ
・テクニカルフェロー増井氏、iPhoneのフリック入力システムを開発
・洛西CEO、2003年度経産省IPA未踏ソフトウェア創造事業天才プログラマー認定
・秋山CTO、2005年経済産業大臣賞を受賞。2008年未踏ソフトウェア創造事業採択
株式会社Helpfeelを知って5分。いろいろな感想を抱きました。
「恐い恐い恐い」
「何よ、この恐ろしいほどのキラキラ眩しい文字列」
「BRIDGEとかTechCrunchみたいなITメディアの見出しじゃないんだから」
当時は地方の中小企業に在籍していた僕。
・メールアドレスを持たない業者と手書きFAXで連絡を取り合う
・動作激重のパソコン(WindowsXP搭載)が週2でフリーズ
・休憩時間は優しいおばちゃん社員の自家製漬物をポリポリ食べながら談笑
っていうクラシックスタイルで仕事をしていたので、反射的にビビっても仕方ありません。
ただそれと同時に、こんなイケてるサービスにライティングで携わりたい想いも湧いてきました。なので、「正直、無理ゲーだよなぁ」と思いつつ、記念受験として選考申し込みをポチりました。
そんなテンションだったので、内定が出たときは新しいmacOSのリリース直後ばりに「あ、これバグ起きたわ」と思ってしまいましたが、偶然に導かれて入社に至ります。
その結果、ライターチームの定例ミーティングや1on1ミーティングのたびに、
「ちょっと、もう不安しかないんですけど」
「(自信の無さが)ヤバいんですけど」
と連呼しながら負の感情を撒き散らすモンスター社員が爆誕したのですが、尊敬している優秀なライターチーム&マネージャーの面々なら、きっと、より良い会社へ成長するための改善点の1つとしてポジティブに受け止めてくれていることでしょう。
偶然この記事を読んでいるあなたへ
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
こんな僕が担当しているテクニカルライターの仕事について知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。
・「テクニカルライターのお仕事紹介&ライター目線でのHelpfeelの魅力」
・「人間味あるFAQの「中の人」 Helpfeelのテクニカルライターとは?」
また、当社では幅広い職種で積極採用中です。お気軽にお問合せください。
特に、部屋でゴロゴロしながらご覧のあなた。油断しないでください。気づいたらこの会社に入っているかもしれませんよ。だって、僕も布団でゴロゴロしてたことが今に繋がっているんですから。