Notaは、スクリーンショット共有ツール「Gyazo」、ナレッジ共有サービス「Scrapbox」、検索型FAQシステム「Helpfeel」と3つのプロダクトを提供するスタートアップです。
このうちHelpfeelは、曖昧な表現や感覚的な表現、スペルミスなどを含んだ入力に対応する「意図予測検索」によって、FAQ検索ヒット率98%を実現。エンドユーザーの課題解決を補助するだけでなく、カスタマーサポートやコールセンターの負担軽減に貢献します。
2021年度には、グッドデザイン賞を受賞。産業カンファレンス「Industry Co-Creation(ICC)サミットKYOTO 2021」においても、 次世代を担うサービス「SaaS RISING STAR CATAPULT 次のユニコーンを探せ!」コンテストで優勝を果たしました。
数年前までは、代表の洛西も含め社員のほとんどがハッカー気質のエンジニアだったNota。2019年にHelpfeelをリリースして以降、資金調達を行い、技術領域以外を担当するメンバーが増えています。2021年はセールスやマーケティング、カスタマーサクセスなどを中心に社員の数が倍増しました。エンジニアも増えており採用は注力していますが、事業規模の拡大やステークホルダーの増加とともに求めているスキルが変化してきています。
現在、特に採用の強化をしているのが、Helpfeelの設計から実装までプロダクト開発に携わるだけでなく、将来的にマネージャーとして活躍してくれるエンジニアの存在です。
今回は、VP of Engineeringの秋山博紀と2021年に入社したエンジニアの松村祐貴に、開発組織の変遷と今募集している人材像、社内の雰囲気などについて聞いてみました。
「作りたいものを作る」 本気でマネタイズを目指すまで
現在、14人のエンジニアと2人のデザイナー、テクニカルサポートが1人いるNotaの開発組織。2015年入社の秋山は、「以前は牧歌的な雰囲気が漂っていた」と語ります。
秋山「入社当時のNotaは、時間や場所に縛られない働き方の自由さに加えて、エンジニアとして『つくりたいものをつくる』という雰囲気がありました。少人数でしたし、技術力のあるハッカー気質のメンバーばかりで、手を入れたいと思う部分はとことん改善する。一方で、技術的に興味がない部分は正直、後回しになってしまっていた部分もあります」
GyazoやScrapboxのマネタイズをしていなかったわけではありませんが、エンジニア中心だったNotaは、とにかくプロダクト改善に焦点を当てていました。広告を掲載したはいいものの、メンテナンスをしておらずきちんと表示されないまま放置されていたケースもあったほど。当然ながら、そのような状態のままプロダクトが成長するのは難しいです。2016年には、いわゆるランウェイ(資金が底をつくまでの期間)の終わりが見えてきました。
秋山「その後、私がマネタイズ担当を任されたのですが、まず危機感や課題をみんなに共有し、『事業解像度』を高めていきました。ありのままのNotaがはっきり見えるくらいに課題を明らかにしていった、ということですね。それでも後ろ向きなメンバーは誰一人としていませんでした。全員が本気でアイデアを出しましたし、やるべきことに注力しました」
社員数が少なく、マーケティングや事務、経理、広報と、一人ひとりが職種に限らずどんな業務でもこなさなければいけません。それでも全員が本気でコミットをした結果、無事に黒字化を達成。2019年にはHelpfeelをリリースし、B2B向けならではの新規機能開発、顧客の課題解決に向けたプロダクト改善など、エンジニアに求められる業務は広がりました。一方で、創業時から続く開発組織のDNAは残り続けています。
フルリモートベースでの働き方が現在も継続しているのはもちろん、秋山がNotaにおける特徴的なカルチャーとして挙げたのは「ドッグフーディング文化」です。ドッグフーディング文化とは、自社プロダクトを日常的に業務の中で使用すること。組織規模が拡大し、エンジニアの業務が広がったとしても、この文化が変わることはありません。
秋山「特にCTOの増井は『今、どうしてGyazoを使わなかったんですか?』とガンガン聞くので新しいメンバーは驚くと思います。これはGyazoの発明者だから使わないことを責めているわけでは決してなく(笑)、改善のヒントがないか常に探っているんですよね。
自分たちが『使いたい』『便利』と思えるサービスでなければ、本当にユーザーが喜んでくれるプロダクトにはなりません。ここは最低限、達成しなければいけないラインだと思うんです。自分たちとエンドユーザーを区切らず、常に同じ立ち位置にいようと考えています」
自由度が高い環境で、プロダクトの成長にコミットする
2021年8月にHelpfeelのエンジニアとして入社した松村(通称、にぼし)は、大手SIerで6年半務めた後、Notaに転職しました。個人でも、Twitterでリプライされた画像がスタバで撮影されたものかどうかを判定する「スタバ警察bot」を開発した経歴を持ちます。もともとScrapboxのユーザーだったことからNotaの存在を知っていたそう。技術者向けイベントに参加した際、エンジニアの募集をしていることを知り、カジュアル面談に臨みました。
松村「Notaで働いている方を以前からTwitterで見ていたのですが、バチバチにできるエンジニアという印象で、少し怖い印象を持っていました。でも、面接を重ねる中で、何か確信があったわけではないのですが、普通に仲良くできそうだなと(笑)。
自分でプロダクトを生み出すことが大好きな人ばかりなので、私が開発したスタバ警察botも面白がりながら見てくれましたし、入社後も充実感を持って働くことができています」
Helpfeelのエンジニアとして入社後、松村は驚いたことの一つに「自律性」を挙げます。SIer時代に研究員をしていたころは、チームの中で役割を決めながら1~2週間という短い期間の中で事前に合意したタスクをこなしていく「スクラム開発」が採用されていました。
Notaの場合、スクラム開発のエッセンスは取り入れているものの、それぞれが課題に対する解決策を持ち寄り、開発を進めていく文化があります。決まったタスクをこなすことは少なく、自由度が高い環境で、プロダクトの成長にコミットすることが求められます。
松村「Notaはエンジニアのクリエイティビティを大事にし、アイデアを持ち寄って相互レビューするカルチャーがあります。課題解決のためのプロトタイプ開発をどんどん高速にまわしていくことにやりがいを感じる人は、非常に向いている職場だと思います。
一方で、クリエイティビティを発揮するエンジニアが多くを占めており、顧客対応やマネジメントを担う人材がまだ少ないのが現状です。Helpfeelはよりビジネス規模が拡大し、社内外のステークホルダーはどんどん増えてます。プロジェクトを進行するとき、1人で抱えるのではなく、色んな人々に相談をしながら、納期に向けて落としどころを作らなければいけません。私の場合、SIerでそれらの経験をしていたのが、今に活きていると感じています」
もう一つ、松村が入社後の印象に残っていることに挙げたのが、働き方に関する変化です。新型コロナウイルスの感染拡大から、前職のSIerにおいてもリモートワークへの移行が進んでいました。しかし、ワークフローはオフライン時のものをベースとしていたため、うまく進まず、もどかしい気持ちを抱いたこともあったそう。Notaはリモートワークを前提としたワークフローが設計されているため、非同期での業務が進めやすいと語ります。
松村「フルリモートベースだと、他のメンバーとのコミュニケーション面で不安を感じる方もいるかもしれません。その点、Notaは毎日10分ほど開発メンバー全員が集まるオンラインミーティングがあるので、その場で困っていることを相談できますし、他チームとの交流を深めることができます。また、隔週で『エンジニアお茶会』といって、雑談をする機会もあるので、一人だけで業務を進めているみたいな寂しさは感じないと思います。
オンボーディングの観点で、どのようにNotaのカルチャーや価値観を伝えるかは、スタートアップなのでまだ課題は残ります。ですが、議論の過程はScrapboxに残っていますし、組織づくりも含めてモチベーションを感じる方が入ってくれると嬉しいですね」
「非連続的」なアイデアを生み出す方と一緒に働きたい
Notaでは現在、松村のようにプロダクトづくりをするのが好きで、かつ将来的にマネジメント業務を担うようなスキルを持つエンジニアを積極的に募集しています。
秋山はNotaのエンジニアとして譲れない基準となるものに、ハッカー気質であることを強調します。Notaでいうハッカー気質とは、課題に対して「非連続的」なアイデアを生み出し、たとえ仕様書がなかったとしてもプロダクトをつくるという意志を持つ方を指します。
秋山「馬車を利用した時代は、『もっと速く走る馬車が欲しい』と言う人が多かったでしょう。その要望を受けて馬の品種改良をしようとしたら、いつまでも『馬車』のままです。同じ道の延長線上から外れることはできません。Notaが歓迎するのは、そこで「蒸気機関車を作れないか」「自動車を作れないか」と、非連続的なアイデアを生み出せる方です。
つまり、要望そのものは正しいのか、今存在しない新たなモノを生み出すことでより良い解決策を導きだせないか、と常に問い続けるということ。仕様書通りに開発することも大切ですし、そういった働き方を否定するつもりは全くありません。ただ、Notaとしてはハッカー気質を持つ主体的なエンジニアであることを、どのポジションでも大切にしています」
最後に、SIerでの業務と自身のプロダクト開発の経験を活かし、Notaで活躍する松村に、今後挑戦したいことと採用応募を検討している方へのメッセージをもらいました。
松村「エンジニアはフロントエンドやバックエンドなどわけて役割を担当することが多いですが、Notaの場合は横断的に関わることが多いです。SIerのときは設計まで行い、あとは開発に依頼することが多かったので、責任を持って最後まで携わるところにコミットできることに喜びを感じています。現在は、Helpfeelの新機能開発に取り組んでいますね。
また、マネジメント面では、これから組織が拡大したとしても、エンジニアの自律性やクリエイティビティを担保し続けられるようにしていきたいです。ただマネージャー候補となる人材はまだまだ足りない状況なので、私と同じようにSIerなどでプロジェクトの進行管理や顧客対応などの業務を経験し、自分でもコードを書くのが好きな方はすぐ活躍できる環境があります。応募を検討している方は、ぜひお気軽に話を聞きにきてみてください」
Notaでは現在、マネージャー候補のエンジニアとして一緒に働く仲間を募集中です。興味を持っていただいたら、ぜひ下記のフォームから話を聞きに来てください。